HHM講評/香瀬
 
構造や形式を弄ぶことができて、読者を動かす言語そのものの可能性を十分発揮できる」ことから、「祝祭のテクスト」である、と。祝祭とは非日常です。規範的・一義的に定まるケの空間から、逸脱的・多義的に意味が混沌としていくハレの空間といえます。氏は、こうした規範からの逸脱を「読者の願望」と呼び、「詩は読者の願望充足の空間としても機能する」と述べ、yo-yo「紙のおじいちゃん」の読解を試みます。

 批評対象である「紙のおじいちゃん」の、人が紙へと変身してしまう現実には起こらない事態を、規範から逸脱することと見た筆者は、規範逸脱の契機の強調として、紙への変身前/後の祖父との「出来事の蓄積」といった形で記述
[次のページ]
戻る   Point(7)