HHM講評/香瀬
 
ma氏は、作品の読解というよりもむしろ、対象作品「祖母」を作った背景を、氏の祖母の葬儀と思われる場面、仏教について考える挿話、死に対する氏のスタンス、詩や言葉が氏にとってどのようなものかという独白などを混在させたものとして示してきます。作品にどのような機能を持つ技術をどのような効果を狙って配置してきたのか、というスキルの問題ではなく、あくまでも作品を作り上げた作者01 Ceremony.wma氏の生死・言語・世界に対する態度の表明というスタイルで書かれています。

 「浅い幸福と浅い絶望(浅い絶望と浅い幸福)」とは何でしょう。氏は抽象的に書いていますが、多くの人が日々悩み傷つき慰められ立ち直り
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