君に戦場で会ったなら/まーつん
 
めてひと口
味あわないうちには
私はその井戸を
塞ぎたくはなかった

君が何者か知りもしないうちに
君を殺したくはなかった

君の生き様が
一片の詩に昇華される前に
その筆を奪いたくはなかった


?


君に戦場で会ったなら
私は君を護るだろう
一人のあきらめた偽善者として
敵弾から同胞を護ろうとするだろう

だが私達は既に死んでいたのだ
顔のない一つの集団となって
個人としての自分を捨てたときに

味方の命を守る為
敵の命を奪ってもいいと
決めたときに

私達の
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