耳の欠けた神/yamadahifumi
透明な僕らは一体
どこへと行くのか
透明な彼らは一体
どこへと消えるのか
誰もが両手を出して
銅貨を求めている
だが、その顔は王のようで
しごく、威張り腐っている
今、君が顔を背けたものが
やがて、君を打ち倒すだろうと
王宮魔術師は告げる
だが、彼はすぐに磔にかかり
全てはなかった事に・・・
人々の自足した顔の裏側に
無限の穴ぼこがあって
時々、僕はそこを泳ぐんだ
何ものも身に着けていないから誰よりも自由なんだと
少しだけ信じながら
それで
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