耳の欠けた神/yamadahifumi
 
れでも、僕も少し寂しくなって

人恋しくなると、僕はすなわち

手近の誰かにメールを送り、電話をかける

・・・でも、それは僕の求めている人ではない



だから、僕は迷惑なやつ

おかげで僕は夜中に一人酒を飲む事しかできない人間になってしまった

誰のせいでもない 僕のせいだ・・・

そんな時・・・そして、そんな事をわざわざこうして

詩に書き写してしまう時、僕は

自分の内部に耳の欠けた神が見える事がある



そいつは老人のように何かをわめているが

僕の耳には決して聞こえない

でも、そいつが必死に何かを喋れば

それだけで僕の寂しさも紛れるんだ



そして夜は更けて

やがて雪が降り出す

雪は僕の上にも神の上にも

平等に降りかかるはずだ



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