躯は踊る、無作為なときの中を、ひとりで/ホロウ・シカエルボク
 
必死で一日を延長しようとするものがいるのだろう、横になる、近頃真夜中過ぎには妙に暖かくなったり寒くなったりして、そのたびに眠りは中断される、そうして起き出して小便に行き、戻ってきたときに目にした寝床の様相に少し違和感を感じたりもする、半覚醒と目覚めの中間あたりのラインで動いているからだろう、そんなときには時間の流れ方がまるでなっちゃいなかったりする、いきなり五分ほど飛んだかと思えば、その倍の時間をかけて一分が過ぎたりする、眠れないときには音楽を流す、バガニーニなんかを、小さな音で流す、それは無作為な時間の中で、急流に浮かべた草の船のように流れてゆく

あるとき、朝が来る直前に見た夢の中で、そん
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