躯は踊る、無作為なときの中を、ひとりで/ホロウ・シカエルボク
 



撲殺された昨日の夜の刹那の思考の躯を油紙で包み、台所の床を引っぺがしその下の土に埋めた、覆い隠されただけの地表は湿気て暗く、その下の地中は加えて重く悲しく、そんな土を長く長くえぐり、刹那の思考の躯をえいやっと放り込む、土嚢五個分くらいの湿った音を立てて刹那の思考の躯は深い穴の中に落ちる、そいつは埋める必要があった、そいつだけは絶対に埋める必要があった、心などなにもかも賛美していい代物ではない、ましてやそれが詩篇に関することなら尚更だ、出来るだけ冷酷にその全てを行おうとしたが、やはりどこか埋葬のようにそれは、掘り下げる時よりもゆっくりと埋葬のように埋め戻された、埋め戻された地表は、掘り下
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