うた/月形半分子
(夏)
夏は永遠の季節
それは動かぬ太陽の支配する国
そこには私たち太陽の子らが住む
太陽の子らはよく笑う
「だって幸せなんだもの」
太陽の子らはよく泣く
「だって死ぬほど辛いんだもの」
太陽の子らはよく耐える
「だってみんなのためだもの」
君が今日笑うその声も
君が明日流すその涙も
太陽の国にあれば
それは千の、万の、永遠のひまわり
太陽が大地を照らし続けるかぎり
太陽の国にあっては
それこそが法、それこそが祭
(秋)
秋は君も待ち遠しい
秋は君が待ち遠しい
君はもう食しただろうか
あの一房の葡萄を
君、早く食さなければいけ
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