⇄(複線)/凛々椿
右足を摺りながらひかりを追う
東西連絡通路
E7出入口の表示がオレンジと黒の点滅を繰り返している
やみとの共存
その選択を嘆くこともなく
左に平穏
右に濁る海
直進は世つなを渡る道化師で
下に退化
くねる五線譜のように合い別れつらなり絡げ
うしなわれた時間やあいしていたもの
取り返せないもの
視線の先にあったもの
ほしいと 指先をめいっぱい広げてやみくもにちぎるもの
ひととして生まれてずっと苦しいのは
無数の思いと
無数の価値を抱くことをやめられないからなのよ
と
かなたの君が笑う
僕はコーヒーは全く飲めなくてね
百番地の片隅
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