たとえ同じ朝陽を浴びなくとも/川上凌
 


電波塔の鉄骨が乱反射した
夜明けの星を戴(いただ)くにも
夜の帳(とばり)が降りるにも
まだ早い

まるで白昼夢を見ているような感覚であった

誰を愛そう
何を信じよう
この歪んだ世界のなかで

宗教も同性愛も身分の差も肌の色も髪の色も
誰を愛そうとも
何を信じようとも
たとえ同じ朝陽を浴びなくとも
ひとりひとりの為に朝は来る

そこで
誰を愛して
何を信じるかは
いつだって僕の手の中にある

世界中の
ひとりひとりの手の中にある


誰を愛しても
何も信じても
同性を愛していても
身分の差があっても
肌や髪の色が違っ
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