死神のメロディー/ホロウ・シカエルボク
ていたウサギが死んで泣いていた女を思い出す
その女も死んでいなくなってしまった
正直な話しすっかり忘れてしまっていた
だって俺は懸命に生にしがみついていなくちゃいけないんだから
雨は三日月が切り裂いた空から流れる血
週末は濡れて、果てしなく濡れて
通りを歩く酔っ払いもじきに素面に戻る
そうして点滅信号の向こうに
人生の終わりを見る
アルコールのあとのあるゴール
軽い笑いのあとに忘れられてしまう程度の
俺の遮光カーテンはすべてのものを遮断している
床に沈み込んでいくほどの示唆が詰め込まれた夢を見ては目覚め
時計を見て
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