【HHM参加作品】「荒地」/すみたに
 
される。ここには、「語る=言葉の境界を知りこと」を示し、言葉と言葉の境界上を移行している状態がある。そして雨が降って火が止めば、故郷だった荒地へ還ることができる。それには長い時間を要するかもしれない。なぜなら内的な叙事は、非常に長い過程を経る。それは記憶やイメージの連鎖だったり、言葉の縫い合わせにほころびを持たせられないからだ。そしてほころびのなさこそ、燃えつきて更地となった荒地として表象される。つまり秩序がないどころか、混沌さえない、荒地。つまり語り終えた沈黙。

>そして原野へ

 こで詩は転調し明かされる。焼け果てたのちの荒地には草木が芽吹く。だが、同時にそれは荒地が原野へと変
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