【HHM参加作品】「荒地」/すみたに
かりの荒地だけが残される。そこを耕そうと(安住しようとしていた)私たちは追われるように駆けていく。荒地の充溢を無へと帰して、実りある大地を作り上げるため。果てしなく広がった荒地は、果て無く燃える。だが駆けて行っても、消え去らない痕跡。かつてはいた大地、そして戻れない予感。放置されたままなのだ、荒地においては何事も。
そして二連目、現在。一連目における「過去」を知らない「私たち」は知りたがる、どこまでも具体的に、体験するかのように。あるいは体験したいと、せがむように。それは同時に、言葉を求めて、耐え難い「無知」から逃れるように、せがむ。
>例えば、例えば、と、
>子供の様
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