虹色の風/草野大悟
 
も空に浮かんでいるのだろうか
蝶は
その恋文を探して今日も青空へと飛ぶのだろうか

夢は年を重ねるごとにやせ細っているし、夢の子供はうまれはしない、と
おせっかいな雲がくり返すとき
明日からの風は
昨日までの風と
激しくぶつかり合い 渦巻いて
今日という日を創っていることを
わたしたちは充分に知っている

風がふく
 風がながれる
  風がなく
わたしたちの風は
いつも
風を
探している
 ふく風は
  たぶん
   あなただろう
ながれるのは
 間違いなく
  わたしだ
なく風は
 おそらく
  わたしたちだろう
向日葵のころ
ふたりは
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