虹色の風/草野大悟
も空に浮かんでいるのだろうか
蝶は
その恋文を探して今日も青空へと飛ぶのだろうか
夢は年を重ねるごとにやせ細っているし、夢の子供はうまれはしない、と
おせっかいな雲がくり返すとき
明日からの風は
昨日までの風と
激しくぶつかり合い 渦巻いて
今日という日を創っていることを
わたしたちは充分に知っている
風がふく
風がながれる
風がなく
わたしたちの風は
いつも
風を
探している
ふく風は
たぶん
あなただろう
ながれるのは
間違いなく
わたしだ
なく風は
おそらく
わたしたちだろう
向日葵のころ
ふたりは
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)