虹色の風/
草野大悟
は
風であった、と
きみが
きょう
断言した
とことこにこにこ歩いてくるのは初めての春だ
その後ろを両手で庇いながら吹いているのは桜
そのまた後ろで無表情の手を差しのべている永遠
永遠が明日を提示したその日 春は過去と未来がぶつかり合い渦巻く今を
魔法のように約束するのだ
ポキン、と音立てて崩れてゆく血たちの空が
いつまでも青くあるように
きみよ
いつまでも
そう いつまでも
虹色の風であれ
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