防波堤の軍国論/小川 葉
 
、あちら側に、二つの世界があり、そこに多くの国が存在する。
その双方の世界にある、多くの国にとって、軍隊を持つことは、世界で生きるためにおいて、必要不可欠なのかもしれない。
しかし防波堤が、国として、否、軍国として、意思を持つということは、防波堤を境に、東と西に分断した上でバランスの取れている現代の世界において、不安定の一因になりかねない危惧がある。
実際、西洋と東洋の防波堤であるはずだった、日本国が意思を持った結果、かつての世界大戦がはじまった。
日本はそのような、微妙な立ち位置にあることを、現代も忘れてはならない。
だからこそ、何をされても、遺憾の意しか表すことのできない、世界でも稀
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