スミ子さん/初代ドリンク嬢
 

わたしがその仕事をスミ子さんに教える。
でも、
わたしはその仕事をしたことがない。


わたしとスミ子さんは生臭い匂いに耐えながら
魚の死骸をバケツに集めて
線路のわきにある畑にまいた。

気持ちのいい仕事ではない
わたしは今にも吐きそうだった
スミ子さんはただ黙って
魚を撒いた。

スミ子さんは喋らない。
年は50過ぎているらしい。
けど
小さなスミ子さんがなぜここに来たのか。
なぜ働かなければならないのか
しゃべらないスミ子さんは
何も言わない。

スミ子さんに教えるべき事もなく
私たちは
魚を撒いた

イヤになってきた

臭いとか
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