戦闘少女、戦闘少年/片野晃司
いなからだもこころも、このあいまいなせつめいも、ぜんぶうそだったんだってひっくりかえしてみたかったって。ぜんぶうそだったんだって、ぜんぶぜんぶうそだったんだってほうりなげてみたかって。不可聴の交響楽に打ち滅ぼされて、まったく役立たずだったって。
いま僕はひとつの神経細胞となってきみに触れている。いま私はひとつの神経細胞になってあなたに触れている。どこかで襖を次々と開けて駆けていく物音がする、その速度はおよそ秒速100メートルである。僕のうごきがきみに伝わり、私のうごきがあなたに伝わり、まじりあい、戦い、まじりあい、戦い、いま僕は少女であり、いまきみは少年である。
高速で衝突しようと
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