matria/紅月
 
は胎盤のなかで、
がらんどうのきごうたちが
豪雨しているのが、
わかる、明るい空へと
私は腕を伸ばす、
濡れた音が鳴る、途端に、
腕が縦に裂ける、
(噴き出す青い血液、)
凍えるような豪雨のなかで、
あたたかい、すなわち、
温度のない血は、
うそぶく祈りに触れ
しだいに日本語されていくから、
ちの飛沫もまた豪雨する、
おとが鳴る、私は裂けた腕を
伸ばす、(いらない、)
おとが鳴る、途端に、
うでがさらに細かく裂ける、
(信仰が流血するのを留めることができない、)
裂けたうでを持つわたしはもはや記号だった、
記号はきごうだった、(いらない、)
切り分けられて
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