あずきの恋人 (連載?)/たま
けれど、わたしの頭のなかはもっとミステリアスだった。なんだろう……、とても不思議な気分だった。外山先生のひと言で、わたしの絵が虹のようにかがやいて、わたしはその虹のうえを歩いてわたる、絵本のなかの少女のような気がする。
わたしはそんなじぶんがちょっと、好きだなぁ、と思った。
そうだ、ひょっとしたら、外山先生って、魔法使いかもしれない。わたしはなんだかそんな気がしてきた。きっと、外山先生はわたしに魔法をかけたのだ。
「はい、これ。」
えっ、なに……? 鈴木さんがわたしの絵のうえに付箋を置いた。
「うん、それは宿題にしましょう。あずきさん、お家に帰ってから、さっき、お話したあずきさんの
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