あずきの恋人 (連載?)/たま
 
んの声を考えみてくださいね。」
 外山先生がそう言ったので、わたしは、はい……って、ちいさな声でへんじしたの。
 もー、このおばさんったら!
「では、つぎの絵をみてみましょう。」
 そう言って、外山先生はスケッチ・ブックをめくった。
 
 玄関のしろいポストのうえに、イチローがすわっていた。イチローはわたしに背を向けて、顔の表情はみえなかった。
「う……ん、いいですね。このイチローのうしろ姿、なんとも言えない哀愁がにじんでいて、とてもすばらしいです。」
 え、アイシュウ……? 
「あ、ごめん。また、むずかしいこと言っちゃったかな? えーっとね。じゃあ、ひとつだけ質問しますね。あず
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