ぼくは立派なあほでありたいが/すみたに
 
いる。批判された人々は、ますますその不幸を気にし始める。いじり始める。悪化する。不幸はすべてなんらかの不在から、埋め合わすように舞い込む異物によって起こる。虚ろ気な人はみな不幸なのだ。その虚ろの中に不幸を抱え込んでしまうのだ。
昨今ニュースにもなった生活保護とて、そういう話の一つであるだろう。無論ニセモノは論外である。だがそんな大きな話で括るからこそ「苦しみ」を見つめられない。人は苦しみながらもひとはそれを補うゆたかさをしてなんとか生きていこうとするのだ。苦しみを真正面に受け止めたとしても、その代わりの何かを持っていない限り生きていくことなどできないのだから。

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