ぼくは立派なあほでありたいが/すみたに
 
だから、それが決して似非の幸福を帯びないように、それが不幸なんだと認識する必要があるように。

そしてぼくは、自分がないと判っている。それが自分にとって最大の不幸なのかもしれない。けれども僕は抵抗するんだ、自分を獲得するということにね。まあ、君とは何度も話したことがある話だけれども。
それで、ぼくには自分がないとわかっている。もう手に入れられないものだとも思っている。それは手に入れるべきものでもないと。死ぬまでね。つまり、社会とか自己とか、そう言うものとのつながりの断絶が死である、なんて浅薄なものとはたもとを分かち、わたしは生きていると、言えれば生きているんだと、なにものも死にはできないし、
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