溜息/レイヨウ
 

雄大且つ繊細
極彩色を放てば
一瞬で無彩色の中へ放り込まれる


突き放されて、抱きしめられる。


大嫌いな自分が
自分の中心の奥深くから幸せだと囁く。
愛。



次の瞬間、殴られる。


そこに佇む嫌悪
抱える孤独
経験もないのに恋しい人肌

誰かに会いたくなるのに
誰かが居ない
誰かが云ってた
結局人間は一人で生まれて死んでいくのだと


泣き叫んだら、ここまで来てくれる?


誰かに向けて
あり得もしないことばかり
浮かんでは少し期待して
また蹴り飛ばされる
その繰り返し

懲りない
懲り懲り

でも満足で
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