屍体は睨む/HAL
 
大義という主張と主張の狭間で
武器を持たないこどもがその親が
何の躊躇もなく銃弾で殺されていく

そしてその真実を世界に伝えようとする
ジャーナリストも標的にされる
その惨状をソファに座りTVを観ながら
ぼくは嫌悪を憶えながらビールを飲む

理不尽とも不条理とも愚行だと
戦争を語ることは余りに容易い
そう 安全地帯で平和を叫ぶ言葉は
ぼくのもっとも嫌う偽善そのものだ

戦争であろうと内戦であろうと
ぼくが偽善者であることは
そこで放たれる銃弾に撃たれ死ぬいのちが
はっきりとぼくを指差しぼくの正体を暴きだす

お前は卑怯だと卑劣だと死を愛する愚者だと
俺等をハ
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