やがてぼくの言葉は誰にも通じなくなるだろう/ホロウ・シカエルボク
 
は劇団に通うことを許されて家に戻った、演劇をしてるのは楽しかった、今にして思えば、ぼくはそのころから、いやもしかしたらもっと若いころからずっと、言葉が作りだすリズムが好きだったのだ、高校は止めた、二年の終わりに留年が決まって、親父にどうするって聞かれて止めるって答えた、止めてどうするのかなんて少しも考えちゃいなかったけれど、それでもそのまま通い続けるよりは多分マシなんだろうと思った、ぼく以外の人間はみんな深刻にしていたけれど、ぼくにとってはそんなに重要なことじゃなかった


誰かになりきって舞台で演じるのはとても気持ちが良かった、お客さんのリアクションが良かったときなんかそれだけで有頂天だっ
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