やがてぼくの言葉は誰にも通じなくなるだろう/ホロウ・シカエルボク
 
うになり、襟元に付ける校章はすぐに失くしてしまうから付けなくなったけれど、それは反抗でも何でもなくて、ただぼくの必要に応じて変更された事柄に過ぎなかった、反抗なんかに興味はなかった、本当の反抗は学校に属さないことだとわかっていた、そのころになるとぼくには、そんなに多くの人間とは仲良く出来ないことがわかっていた、そしてずっと考えていた、自分がやるべきことはことはここにはなにひとつないって、でもじゃあほかになにをすればいいのかなんてわからなくて、しかたがないから万引きをした、なんでそんなことになったのかわからないけど、たぶん気まぐれみたいなもんだった、結構たくさんやった、意外と簡単なんだなとぼくは思っ
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