やがてぼくの言葉は誰にも通じなくなるだろう/ホロウ・シカエルボク
って約束をすっぽかしてどういうことかとかかって来た電話でいい加減にしてくれと言った、彼女は傷ついただろうけどぼくはもううんざりだったんだ
高校生になると周辺は整髪料と軽いメイク道具と隠れて吸う煙草とベトベトの分泌液の臭いでいっぱいになった、制服を祭の衣装みたいにして登校してくるやつがいっぱいいた、みんな反逆のヒーローを気取っていたけれど、それが本当の反逆なら私服で来るべきだとぼくは思っていた、ぼくは制服には一切手をつけなかった、店で買ったままの学ランとストレートのズボン以外は着ることはなかった、襟の内側に付けるプラスティックのカラーは割れてしまうと首の皮を挟んでうっとうしいから外すように
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