やがてぼくの言葉は誰にも通じなくなるだろう/ホロウ・シカエルボク
 
ば落ち着けなかった、そんなとき、図書館にあった本の中にチックという言葉を見つけた、これはまさに自分のことだと思った、授業中に口笛を吹くのを止められなくて悩んでいる男の子の話が書いてあった、ぼくは自分もきっとそうなのだろうと思ったが、そのことは誰にも言わなかった、だけど友達だっていたし、好きな先生だっていた、ぼく自身は訳の判らないことばかりしていたけれど、それでもまあ幸せな子供時代だったと思う、みんなと楽しく遊ぶことが出来てさえいれば、誰にも排除される心配なんかなかった


中学生になってもおかしなことばかりしていた、休み時間になると廊下で両膝をついたまま、はしからはしまでを何度も往復した、ほ
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