やがてぼくの言葉は誰にも通じなくなるだろう/ホロウ・シカエルボク
い出せないが、それはいつしかみんなが知ってるぼくの癖になっていた、みんなが止めなさいと言ったけれど止められなかった、その声を出していないと落ち着かなかった、何度注意されても授業中に鼻歌を歌うことが止められなかったり、両手の親指の爪の表面を歯で削り続けたりした、睫毛を抜くのが止められなかったり、虫歯の穴に研いだばかりの鉛筆の先を突っ込んで血が出るまでほじくった、給食の時間には牛乳を飲むためのストローの包み紙を、むしゃむしゃと食べたこともあった、友達が面白がって、ストローの紙がぼくのところにたくさん集まって、ぼくはそれを全部食べて先生に叱られた、ひとつの動作に夢中になると、それをやり続けていなければ落
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