幸せのゲーム 二編/るるりら
 
1.ゆきんこちゃん


段ボールに書かれた 真っ赤に書かれたクレヨンの暖炉の炎には 
ぱちぱちと
もえる友情が燃えていた
おともだちの ゆきんこちゃんは 五年生で
なふだにも ちゃんと 【ゆきんこ】と書いてある
わたしは 一年生で ゆきんこちゃんは 五年生
ゆきんこちゃんは 暖炉のほうには 行かない
炎が こわいんだ


初めて つくった 雪だるまみたいに とけちゃうから
一年生のわたしは ゆきんこちゃんに

「夏になったら とけるんでしょ」
二年生になって 春になったときも 道で ゆきんこちゃんに
校門のところであったとき 「そだよ」
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