静寂は長い叫びと似ている/ホロウ・シカエルボク
ストアで見た
とある雑誌の表紙を飾っていた男の顔が
あらゆるものの終わりについてあれこれと考えるきっかけになった
人生とはある時から
終わりを見つめていくことの連続になる
確かそれが始まったのは
二十歳そこそこのころだっただろうか?
ひとりひとりまたひとりと席を立ってテーブルを離れていく
俺は時々そこに座っている自分のことを
妙に現実的に認識する瞬間がある
いつか必ずその席を離れなければならない瞬間が来る
そのとき
俺はなにをテーブルに残していくのだろうか?
置いていくものが無くてまごついている夢を見る
苦し紛れにテーブルに詩を書き殴るが
それは拒絶のように燃え尽きて
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