She/アルビノ
 
。 シィが、笑っている。
 シィがぼくを忘れてゆく。苦しむシィをぼくはずっと見てきた。きみが独りでなければ、ぼくは幸せになれないの?ぼくらは反比例していく。 ねぇ、シィ。 ぼくは独りだよ。



 ぼくのことは誰も知らない。ぼくのことはシィしか知らない。ぼくには母親がいないし、ぼくだけの名前も体もない。ぼくはシィの後ろにぴたりと貼り付いた影だから仕方のないこと。この世界を感じられただけでも感謝しなくては。だけど寂しい。誰とも繋がれないぼく。耐えられないときはシィのふりをしてこっそり彼女の母親に甘える。 ぼくの名前を呼んで。
 だけどその名前だってぼくのものじゃない。シィに与えられた名前
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