She/アルビノ
二重人格だ。だけどシィはぼくを認識していたし、ぼくもシィが主人格だと認めていた。学校で傷ついたシィの心を家でぼくが癒すんだ。だってぼくにはシィの人間関係はないもの。苦しいことなんてないもの。これは2人の共生なんだ。
シィが笑えるようになったのは4年前。進学して新しい沢山の友人たちと笑っている。放課後も楽しそうにシィは遊んでいる。幸せそうなシィ、苦しみは無駄じゃなかったね。あの時死ななくてよかった。きみはとても生き生きとしている。でも、ぼくは?
シィが友人と過ごす時間が増えるほど、ぼくの時間は減っていった。大好きな絵も、詩も、描く時間はなかった。ぼくらは反比例していく。
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