かたつむりのつむりくんとなめくじのなめちゃん/ドクダミ五十号
 
目を半分ほど縮めてつむりくんは言うのだった。

「あら、そうじゃないのよ」

「つねにみかんせいなおうちがあるのをうらやんでいるんじゃないわ」

「にんげんっていうりふじんないきものがいて」

「わたくしよりあなたををよきものとするについてですわ」

殆ど肉体に収容された眼球の様をつむりくんは「なぜぼくに」
と思いながらも、聞かねばと思い、しっかりと見詰め直すのでした。

「すてきなおうちこそがごじまんでしょ?」

「けれどもあたしのごせんぞだってもっていたのだわ」

それはつむりくんも当然に知っているのでした。なにせ、学校で習いますから。

「ぼくはこれを」
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