かたつむりのつむりくんとなめくじのなめちゃん/ドクダミ五十号
 
を」

つむりくんはおめめをのばしてじぶんのおうちをつつきました。

「めんどうだなあっておもうことがあるよ」

「なにせあのよにまではしょっていけないからね」

なめちゃんは納得しはしませんが、同情はするのでした。

「それぞれにこうへいになやみがあたえられるのね」

その後、ふた筋の光る跡が交差して、薔薇の茂みに跡を残した事を、目撃した
人間の言う事には「これぞ芸術である!而も無為な」
以来、その茂みは手入れを逃れ、残った貝殻は丁重に飾られる事に。
勿論、なめくじは、その庭では駆除をされず。今日も美しい自己保存の跡を、庭の
そこかしこに残すのだった。


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