存在と錯誤/ただのみきや
りまた生えたり
私は真っ直ぐ滑らかで色も形も変わらなかった
君のまわりには鳥や虫が心地良く憩い
時にはこどもたちが歓声を上げながらまわりを走り回っていたね
私のまわりはただ足早に通り過ぎるだけだった
君は鳥たちと仲が良かったけど
私にはフンをかける厄介者でしかなかったよ
ある日 君は互いの違いについてこう言った
「僕は神によって造られたものだ
神は大きなシステムの大事な一部として僕を造った
しかし君は人間によって造られたものだ
人間は人間の為だけのシステムの一部として君を造ったんだよ
神と人間は似てはいるけど全く違う存在なんだ 」
[次のページ]
戻る 編 削 Point(28)