明日ぼくらは葬列に混じる/ホロウ・シカエルボク
秘密だった
ホームセンターで盗んできた虫が来ない薬を定期的に撒いて
ぼくらは出来るだけその秘密基地を綺麗にしてた
ふたりの秘密が込み入ったものになり始めてからは余計に気を使った
あしたぼくらは葬列に混じる、どうしてそこに行くのか理由もわからないままに
明日ぼくらは葬列に混じる
駄菓子屋が取り壊されたのは道路や建物が妙に綺麗になりはじめたころだった
更地になった秘密の前で制服を着たぼくたちはぽかんと立ちつくしていた
道路が拡張されるというようなことが書いてある小さな看板がそこに立てかけてあった
きみは泣きながらその看板を強く蹴ると、すたすたと河原に
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