明日ぼくらは葬列に混じる/ホロウ・シカエルボク
の河原にはかなしい話がたくさんあったね
老夫婦が焼身自殺をしたって言われてる
真っ黒に焼け焦げた骨組だけの軽自動車があったりしたね
僕らその落ちたバンパーにもたれて
薄暗くなるまで眠っていたことがあったよな
明日ぼくらは葬列に混じる、どうしてだろう、どんな顔をしていればその場に相応しいんだろう、逝ってしまった命に相応しい表情なんてぼくは知らない、いやもしかしたらそれはみんなそうなのかもしれないけれど
壁に掛けられた明日の為の服に目をやるたびに目の奥がごろごろするんだ
明日ぼくらは葬列に混じる、そのために変わってしまう予定のことを考えたり忘れたりしながら、帰路には
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