北の亡者/Again 2012霜月/たま
 
も残さなくていい
そんな気分がうれしくて
も吉とふたり
遠回りして歩く


             (一九九七年作品)



   ※


あれから、いくつ
冬を数えただろうか

ことしも星が降るように枯葉が地に落ちて
それは
北の亡者の数えきれない足跡なのかもしれない
ひとつとして
同じものがない
生きてきた日々のように
遠くからやってくる未来のように

書くことは、読むことだから
わたしは、わたしの詩を読みたくて書いている
日記はいまも書かないし、書くこともないだろう
だから、こうして
詩を書いているのかもしれない
それは、遠い記憶が
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