北の亡者/Again 2012霜月/たま
憶が
未来からやってくるようなもの
再び、出逢って学ぶために
わたしの詩は、明日のわたしだけれど
書けない日々があったとしても
何もこわいことはない
たぶん
も吉と歩いた、遠い日々が
帰ってきたのだと思うから
も吉の骨は父の墓のなかにある
わたしもそう遠くない未来に白い骨になる
そうしたら
また、一緒に暮らせるだろう
生きていても、死んでしまっても
わたしはこの街にいて
おまえもここにいる
ずっと、ここにいて
ずっと、冬を数えている
未来は永遠にやってきて
わたしは歩きつづけるだろう
色とりどりの
北の亡者の足跡を、踏みしめて
おまえとふたり
いつもの散歩道
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