牡丹/ねむみちゃん
所へ行き
「お母さん、お手伝いさせて頂戴。」と言いました。
お母さんはたいそう驚いて、そして女の子の肩を抱いてはらはらと涙をこぼしました。
「まあ、お前はどうしてそう良い子になったの。」
牡丹のよしみさんはこの様を見ておりました。
羨ましくて、情けなくて、思わず涙をホロホロと落しました。
その後も女の子は、自分の事は何一つお父さんやお母さんに迷惑をかけませんでした。
何より一番驚いたのは学校の先生でした。
今までは何を聞いても黙ってうつむいていたよしみさんが、
今度は何を聞いても勉強してきているのです。
習い事のお琴も、譜を見ることなく弾くことが出来るのです。
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