牡丹/ねむみちゃん
の香を思いきり吸いこんで、目を開いてみますと、よしみさんは牡丹になっておりました。
そして目の前には、よしみさんそっくりの女の子が立っているのでありました。
「まあ、美しい牡丹だこと。これを一輪ざしに挿して机の上に飾りましょう。」
そして花鋏を持ってきて、よしみさんの牡丹を切りました。
しばらく女の子は一輪ざしに挿した牡丹を見ておりましたが、ノートを開いて勉強を始めました。
明日の下読も済ませ、筆箱やノートを鞄にしまいました。
そして、いたずら書きの紙屑や机の上に散らばっている絵具をキチンと片付けてしまいました。
女の子はそれから、お母さんの居る台所へ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)