昼と白 ?/木立 悟
 



凶兆鳥(まがいどり)のように葉は離れ
次々に口もとにやってきて
何も得られず
土に落ちる


爪と貝が溶け
聴いている
海の失い場所から
海の向こうの海を
聴いている


硝子の街に
つづく足跡
眠ったままの鳥の群れ
月の上を越えてゆく


星の墓や物の墓
永い永い天気雨
小さな音を呑もうと近づき
径にひとり 残される


傾(かし)ぎ 傾ぎ
緑は深く
空を刺すほどに波うって
音と土のしるしを付ける


裏切られた子は柘榴を見ない
あがめることも
追うこともなく
線路の上の 蜃気楼を踏む


白線がひ
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