(批評祭参加作品)原口昇平という名の色/いとう
 
)、これらの点であろう。ちなみに
「決闘」という言葉のシニフィエにも彼自身特有のものがあると思
われ、一般的な「決闘」のイメージとして考えると誤解を生む可能
性が高い。けれどもここでは「青」と「白」の二つに絞って論じて
いるので、「決闘」のシニフィエについては扱わない。

話を少しそらすが、この「決闘」と「(……のいない風景)」は「白」
以外においても明らかな関連性を有している。「白い、/決闘、」と
この作品を示唆する表現があるだけでなく、「八月」、「夏」というイ
メージ、「焼きつける」という言葉も重複しているのだ。


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