(批評祭参加作品)原口昇平という名の色/いとう
 
読み返
すと、作品自体のイメージもまた、以前とは異なった断層を示し始
める。このイメージを言語化しようとも考えたが、それにより彼自
身の持つ青のシニフィエとのズレが生じることを恐れ、敢えて説明
はしない。白状すれば、自身の中でいまだすっきりとした結論を持
つに至っていない。ズレをズレのまま放出することにより、作品を
硬直させてしまうのを、何よりも恐れる。青についてはここまで。
これ以上は、言語化する弊害の方が大きいと考える。


「白」のシニフィエ。

白については、青よりもわかりやすい。ネット上で彼自身が「白」
についての言及を彼自身の言葉で何度か述べているだけでなく、
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