(批評祭参加作品)原口昇平という名の色/いとう
暗く川底にはりついて呟く。戦争、戦
> 争、戦争、青が
> 窓に
> 部屋のない場所
> 時折顔ぶれが
> 青く終わっているだけの
>
>
> めずらしげに垂れる
> さむい夕涼みの声がする
> 骨のまるみを殺した
> 球形の女の小鳥がする
>
>
> あおいろの青空
> あおいろの青信号
> あおいろの青写真
抽出なので語弊があるかもしれないが、各作品中の「青」には、一
貫したイメージがつきまとう。そのイメージとともに作品を読み
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