(批評祭参加作品)原口昇平という名の色/いとう
はなく、希望として存在するのでもなく、ただ単に、状態として存
在している。その状態を以って、我々は関係性を築く。それに向か
うこと自体がコミュニケーションであり、我々とは、そのような生
き物なのだ。そのように生きる。生きている。そしてそこに、信頼
が生まれる。自身のシニフィエを振りかざすだけでは、信頼は生ま
れない。
「青」のシニフィエ。
> その左右におぼれている、
> あなたの書いた字が
> 青くはだけている、
> 誰も
> 座れない
「青」は難解だ。
古い虹にまかれている「あなた」の左右。そこに「あなた」の書
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