(批評祭参加作品)原口昇平という名の色/いとう
 
、あ、なたのく、
ちづ、

けが、古い息をころした
ひとびとの、夏を
あなたのなかに焼きつけて
いる、
白い、
決闘、
争われたすべての影に

あなたは黙り、
沸騰し、
外れて、いる
空の画布を
裂い、て
投げ出された手足、
砂浜に忘れられた

椅子の




この作品の全体像について述べるのがこの批評の目的ではないので、
解説等をするつもりはない。ただ、「青」と「白」に留意した場合、
「誰もあなたに似ていない」「あなたは黙り、/沸騰し、/外れて、
いる」、特にこの2ヵ所が、留意する前よりも特別な印象を持って浮
かび上がってくるのは、私だけの
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