(批評祭参加作品)原口昇平という名の色/いとう
 
けの気持ちだろうか。またそれは、一
歩、彼自身の色に近づいたことにならないだろうか。

今回は「青」と「白」を通じて彼の詩に近づいた。そして彼の詩自
体はもちろん、彼の「色」につながっている。しかし、この色を、
原口昇平という名の色を、理解することはできない。それは誰にも
できない。彼には彼の、彼自身の、大切な色があり、それを「他者」
に伝えるために詩を書いているわけではない。そしてそれを名付け
る資格など他者にはない。ただ、感じるのだ。彼の詩を通じて。彼
自身の色を。

我々は、そのように生きる。生きている。詩はそこにある。



戻る   Point(14)